令和7年6月18日、法律第69号が公布され、「食品等の流通の合理化及び取引の適正化に関する法律」は「食品等の持続的な供給を実現するための食品等事業者による事業活動の促進及び食品等の取引の適正化に関する法律」(以下、「食料システム法」)と改題されました。政府は食料システム法に基づき、合理的な費用を考慮した価格形成と食品産業の持続的な発展に向けた施策を一体的に推進し、食料の持続的な供給ができる食料システムを確立するとしています。
食料システム法では、食品産業の持続的な発展に向けた計画認定制度と、合理的な費用を考慮した価格形成に向けた食品等の取引の適正化に関する措置が講じられます。
●計画認定制度
食品産業の事業者(食品製造業者、食品卸売業者、食品小売業者、外食業者)が、農林漁業者との安定的な取引関係の確立を図る事業活動等に関する計画を作成し、農林水産大臣の認定を受けた場合、資金調達支援、税制優遇、研究開発設備の供用といった支援・特例措置を受けることができます。
●食品等の取引適正化
農林漁業者と食品産業の事業者に合理的な費用を考慮した価格形成等を促すための規制的措置が設けられます。具体的には、食料全般を対象に2つの努力義務が課されます。
1.持続的な供給に要するコスト等の考慮を求める事由を示して、協議の申出がされた場合、誠実に協議すること
2.商慣習の見直しなど、持続的な供給に資する取組みの提案があった場合の検討・協力
適切な価格交渉の参考となるよう、農林水産大臣が指定した指定品目については、コスト指標作成団体がコスト指標を作成することとなっています。指定品目は省令で定められる予定で、候補として米、野菜、飲用牛乳等が検討されています。
このたび、法律第69号の施行日が令和7年10月1日に定められ(一部は令和8年4月1日)、関係政令が整備されました。
出典・文責 ≫ 日本実業出版社・株式会社エヌ・ジェイ・ハイ・テック