就業構造の変化や働き方の多様化等を踏まえ、労働災害に対する幅広いセーフティネットを整備するための労災保険法等の改正がありました。その内容は次のとおりです。
●遺族補償年金における支給要件等の見直し
労災保険法の遺族補償年金等、石綿健康被害救済法の特別遺族年金等について、夫にのみ課せられた支給要件(妻の死亡時に55歳以上または一定の障害の状態にある者)を撤廃します。
また、遺族補償年金等について、遺族が1人の場合の年金額を、現行の給付基礎日額の153日分(55歳以上または一定の障害の状態にある妻は175日分)から、一律で175日分に改めます。
●消滅時効期間の見直し
発症までに時間がかかるなど、その疾病の性質上、災害補償の事由に該当するものかどうか等を容易に判断することができない疾病として政令で定めるものである場合には、療養補償給付等の請求権等の消滅時効期間を2年から5年に延長します。
対象として、脳・心臓疾患、精神疾患、石綿関連疾病などが政令で指定される予定です。
船員保険法の休業手当金の請求権についても、同様に改正されます。
●労災保険の適用事業に関する暫定措置の廃止
現在は任意適用とされている農林水産業の小規模個人経営事業の一部についても、労災保険の強制適用の対象とします。
●特別加入団体の要件の法定化等
労災保険の特別加入団体(一人親方等の特別加入に係る手続等を行なう団体)について、労災保険に係る業務や業務災害の防止に関する活動を適切に実施すること等の要件を法令に規定します。
●社会復帰促進等事業に関する決定への不服申立てに係る審査請求先等の見直し
社会復帰促進等事業に関する決定への不服申立てについて、労働保険審査官及び労働保険審査会法の対象とし、審査請求先および再審査請求先を労災保険給付に関する決定への不服申立てと同様とします。
本改正は、一部を除いて令和9年4月1日から施行されます。
出典・文責 ≫ 日本実業出版社・株式会社エヌ・ジェイ・ハイ・テック